なんで小説を応募するのに年齢を書かなきゃいけないのか、大声で文句が言いたい

年齢が必要か疑問を感じる女性の絵

 先日、小説講座なるものにいきまして、課題で小説なるものを書いたんです。書いた作品は、雑誌に応募しろってことだったんで、応募しました。さて、応募用の入力フォームを開いたら、その項目にアゼン。「名前(ペンネーム)【必須】」「性別 【必須】 」「年齢 【必須】 」。

 どういうことだああああああああ。

 頭にキタので、36歳で応募しました。いや、若く見られたいとかそういんじゃない。これは芸術に関わることなのだ。今日は、文句を言って和ませたい。

42歳・女性の小説を読みたいか?

 見出しだけでは、誤解を与えるかもしれません。同じ42歳だって、三浦しをんさんなど名のある人の小説なら読みたいでしょう。私も読みます。問題は42歳の素人の作品ということなんです。素人というのは無名ってことです。

 応募したところは、まあ、ぶっちゃけ大したものではありません。毎月、短編小説の公募を受け付けているようなヤツです。審査員からのアドバイスみたいなの読むと、「つまんないもの送ってくんな(意訳)」ってことが書いてあって、公募しておいてなんだその言いようは、って思いますが、つまりは大量のつまらない作品が、毎月送り付けられてくるんだと思います。

 大量のつまらない作品(と、一握りのおもしろい作品)を下読みと呼ばれる人(おそらく薄給)が、大量に読みこなすわけですね。1日に100作品とか読まなきゃ生活が成り立たないのかもしれない。そう考えるとですね、

 42歳・女性の小説、読みたいか?

 って、なるんですよ。私がそのバイトしてたら、もうプロフィールの時点で「ああ、主婦の道楽か」とか思って、まじめに読む気がしない。同じ作品でも、36歳・女性とあったら「不倫とかしてて、仕事も不安定で、将来に不安を抱え、毎日が苦しい。苦しみから、少しでも解放されたいと小説を書いているのかも」って、表紙をめくる前から妄想する。私ならそう思う。だから36歳の小説のが、42歳よりも読みたい小説になる。

で、年齢欄、いらなくない?

 で、私が言いたいことは、42歳と36歳のどっちの小説を読みたいかではなくて、そもそも、年齢を必須にする理由ありますの?ってことです。性別さえ聞く必要ないんじゃないかと。

 女性が書いている作品だと、ついつい主人公は女性だと思い込んで読んでしまう問題というのがあります。読者は「こういう人が書いているなら、たぶん、こういう作品だろう」と、先入観を持って読んでいるんですね。

 先入観を持つなとはいいません。自然と持ってしまうものです。ですから、逆にそこを利用したらいいと思うんです。「この作品だったら、こういう作者に書いていてほしい」ってところに、自分のプロフィールを合わせてしまう。選挙に出るわけじゃないんだから、ウソでもなんでもいいじゃない。

 名前はペンネームでいいのだから、性別もペン性別OKで、年齢もペン年齢OKではいいじゃないか。写真だって、自分の顔写真を正直に出して「思ったよりブサイク」とか言われるくらいなら、ネットで拾ってきたそれっぽい画像使った方がいいと思うんです。

 ということで、全く予定のない未来の小説家デビューに備えて、いくつかプロフィールを考えてみました。

高橋ホイコのプロフィール

時代劇作家

いらすとやの鎌倉時代の女性の絵
時代劇作家・高橋ホイコ

  西暦1000年生まれ。京都出身。慶応義塾大学卒業。作家。天皇家のあれやこれやのスキャンダルを妄想していたところ、江戸に飛ばされてしまう。平安時代から令和までの江戸を知る。平将門のグッズに造詣が深い。主な著書は「応仁の乱をあやつる24XX年生まれの男」「皇居の地下に住んでみた」「平賀源内は嫌なヤツ」

ファンタジー作家

いらすとやのダークエルフの絵
ファンタジー作家・高橋ホイコ

 西暦1564年生まれ(シェイクスピアと同期)。ラドムール出身。フェリス女学院大学卒業。作家。落とし穴に落ちたところ、ダークエルフになっていた。魔法も弓も得意ではない。言葉も日本語しか話せないので、エルフ語を教えてと言われると対応に困る。主な作品は「ダークの森の美肌術」「おまえをダークにしてやろうか」「ドワーフをATMにする方法」

SFファンタジー作家

いらすとやの火星人のイラスト
SFファンタジー作家・高橋ホイコ

  西暦3525年生まれ。イトカワ出身。東京工業大学卒業。作家。火星人で唯一、鉛筆を持つことができる。JAXAが置いていった宇宙船に住み着いていたところ、ゴミとして回収され、気づいたら日本に来ていた。好きな食べ物はタコ。主な著書は 「小惑星出身は少数民族なのか 火星差別に問う」 「2800年ガンダムは実在した」「火星人の飛行機の乗り方」


 和んでいただけたでしょうか。実は年齢問題以外にも、もうひとつ言いたいことがある。word問題。“wordのみ可(PDF不可)”って、どういうことだ。小説業界はマイクロソフトの回し者なのか?と言いたい。1本応募するためだけにWordを買う気にはなれず、悪戦苦闘しました。まあ、ありましたよ。無料のいろんなものを使って何とかする方法。めんどかったけど。あ、ここ、なごむとこね。ワッホイ、ワッホイ。