博物館とかの物販コーナーに物申したい
先日、国立博物館に行きまして。
鳥獣戯画の一筆箋を買ってきたんです。
それで、友人にお手紙とか出したりするとですね、
「へー、鳥獣戯画見てきたんだ-。よかった?」
とか、聞かれるわけですけど。
見てないんですよ。展示してなかったっすよ。
あたくしの友人だってね、とてもいい人なんですよ。
決して、困らせたかったわけじゃない。
きっと楽しい話があるに違いない。聞き上手になってあげよう。
ってな気持ちで聞いてくれたんだと思うんですよ。
けれども、申し訳ないくらいに話すことがない。
なんか、期待に添えずゴメンナサイ。って気分になる。
なんであれ、展示してない物のグッズを売るんですかね。
しかしですね、これってば、私に会う人みんなに、
持ってる品の思い出を聞かないでください。ってお願いしたいわけではなくてですね
たまにはあるんです。ちゃんとネタがあることも。
やはり、そういうときは、聞かれるとうれしい。
ある日、気の利く若者が聞いてくれました。
私が着ているイルカのTシャツを見て、
「水族館行ったんですか?」
って。
はいはい。行きました。行きましたよ。下田海中水族館ですよ。
聞いてくれるのか、若者よ。
わたくしが結婚したのは、10年前。
伊豆急を8両貸し切ってブライダルトレインを走らせまして、
伊豆急下田駅にある「ホテル伊豆急」で挙式をしたのでございます。
で、10年目ってこともあって、先日、下田で旅行したのです。
そこで訪れたのが、下田海中水族館なのです。
ここでは、アシカとイルカのショーとかやっておりまして、
ど真ん中に座って、ワクワク始まるのを待っていたわけです。
テンション高く、始まるショー。
よく訓練されたアシカちゃんが、いろんな芸を見せてくれます。
で、後半は、いよいよイルカちゃんたちのショーです。
トレーナーさんが言うわけです。
「ショーをお手伝いしてくれる人いませんかー!」
って言われましても、シャイな日本人、誰も、手を挙げないのですね。
まあ、私もシャイなので、黙って見ていたんですけど、
こちらも特別な旅行であったわけでして、それまで、かなり大声で歓声上げたり、喜んでいたりしたと思います。
目立ってたんですかね。
指名されちゃったんですよ。
いやー、ビックリビックリ。
おずおずと、前に出て行きまして……、そこでトレーナーさんに、「こういう動きをしてください」的なものを習うんです。
で、言われたとおりに棒を振ると、イルカさんがキュキュッって頭を振って鳴いてくれたり、くるくる回ってくれたり、
いや、まじ、かわいいいいぃぃぃぃぃ。
ここに来るまで、あたくし、正直コヅメカワウソさん推しだったんですけど。
もうね、今日から、イルカさん推しになります。
これから動物グッズを買うときは、必ずイルカさんにしますって決めました。
で、5つくらいミッションをこなしたところで、これが最後です。みたいな動きを習います。
何が起こるか事前に知らされないんですけど、たぶん、すごいヤツです。
手を上にあげて、一気にドーンと下げるってのやります。
絶対に失敗してはいけないですからね……ここは、恥ずかしがらずに、しっかりやります。
動作はくっきりハッキリと。
思い切り腕を下げた、その瞬間、
イルカさん、大ジャンプーーーー!!
すげーって思ってたら、イルカさん着水時に、めっちゃ思いっきり水面を叩きましてね
波、ザッブーーーーーン。
頭から、水かぶりました。はい。もう、全身ずぶ濡れ。
トレーナーさん、めっちゃ焦ってたので、こういうアトラクションなわけではなくて、事故だったと思われます。
着替えを提供しましょうかとも提案してくれたんですけど、まあ、思い出ですからね、
丁重にお断りして、物販コーナーでTシャツを買って帰りました。
それが、このイルカのTシャツなのですっ!
って話をしましたらね。若者がね、
「それ、シャチですよね?」
って言うんですよ。
んんっ?
そんなわけないって、そのときは自分に言い聞かせてみたんですけど、
また別の若者に同じこと聞かれまして、同じ話しましたらね、またその人もシャチだっていうんですよ。
いやいや、これはイルカさんですよ。って諭してあげましたらね、
スマホとかいう便利な道具を取り出して、画像検索とかしちゃって、
「それ、シャチですね」
とか確定させくるんですよ。
なんで、そこにいない生き物のグッズを売るんですかね。