そろそろ「筋肉に裏切られた芸人」の話が聞きたい
最近、めっちゃ筋肉が流行ってるじゃないですか。「筋肉は裏切らない」と言わんばかりに、ムキムキになった人が次々とテレビに出てる。これはね、言わせてもらうよ。私が40年以上にわたって現代日本を生きてきた経験から言わせてもらうよ。メディアでガッツリ持ち上げられた人って、1年くらい経つと、急にバッシングされ始めるんだよ。さあ、始まれ、筋肉バッシング。
筋肉に裏切られた話が聞きたいのですが、そんな人すぐには見つかりそうにない。なので、妄想してみました。
筋肉に裏切られたピン芸人：Aさんの話
「筋トレしましたが、売れませんでした。」
そう語るのは、大手芸能事務所に所属する男性ピン芸人のAさん（38）。芸歴は18年になるがブレイクの兆しは一向にない。テレビCMを見て、筋肉をつければ人生が変わると思ったそうだ。しかし、現実は甘くはなかった。
「筋肉をつけたら、つまらない芸が、ますますつまらなくなった。って言われてしまって。」
結局、先月Aさんは事務所を解雇になり、現在は引っ越し屋のアルバイトをしながら、ストリートライブをしている。アルバイト先では、体幹の強さが評価されているものの、やはり夢はあきらめきれない。
「元々、僕の芸は、ぷよぷよのモノマネだったんです。だから、ぷよぷよじゃないとダメだったんです。」
変わり果てた身体は気に入っているものの、後悔しているという。元々は4人のメンバーでコントをしていたそうだ。しかし、時がたつにつれメンバーは一人ずつ消えていった。
「色もそろってないのに、消えるとかありえないじゃないですか。」
Aさんは、筋肉に裏切られたという。このまま一人では消えるにも、消えきれないと。
筋肉に裏切られた婚活芸人：Bさんの話
「筋肉つけたら、結婚できると思ってました。」
Bさん（32）は、高校生のころに不登校となり、家から出ることができなくなった。人前に出るキッカケをつくろうと、思い切って芸能の世界へ飛び込んだ。しかし、そこは自信に満ち溢れるキラキラした人たちばかりだった。ますます、自分をみじめに感じるようになった。
「結婚したら、人生変わると思いました。」
高校時代から関係が続いている唯一の友人が29歳のときに結婚した。Bさんは焦りを感じたという。結婚式で見た友人の変化にも衝撃を受けた。いつもぐったりしていてぐたーらブサイクだった友人が美しく輝いていた。友人はとある有名ジムに通ったのだという。
「筋トレしかない。って思いましたね。」
神の啓示を受けたかのうに感じたBさんは、結婚式から帰る足でジムに入会。来る日も来る日も筋トレを続けた。どんどん自分の体が変わっていくことが快感だったという。3年間の筋トレで二の腕は3倍の太さになった。
ところが、2カ月前、結婚相談所に登録しようとしたところ、「最近はプチぽっちゃりがブームなんですよね」と言われ、落胆した。まさに、筋肉に裏切られた気分だったという。
じゃじゃーん。というわけで、妄想してみましたけど、これはね、いいよ。アメトーク「筋肉に裏切られた芸人」ってきっと面白いと思う。うん。まあ、なぜここまでディスるかっていうと、いや、別にいいんだけど、やりたい人はやってればいいと思うんだけど。筋トレが世界標準になられると困るのよ。誰がって、私が。私が困る。動きたくないでござる。ぐーたら最高。ぐーたらしている人ほど賢い。ぐーたらしている人ほどお金を稼ぐ。ぐーたらしてるほど……そんな世の中希望。
ワッホイ、ワッホイ。