最近、とても気に入っている「茶工場のまかない緑茶」の気になること
最近、すこぶる気に入っている茶葉があります。大井川茶園の「茶工場のまかない緑茶」です。甘みが強く、香りよりも味を楽めるお茶で、気取らない風情が心地よいのです。パッケージを眺めながら、毎朝お茶を飲んでいると、ものすごい気になってきます。
「茶葉は細かくふぞろいですが」って、主張しすぎ。
この言葉、パッケージの表裏両方に書いてあります。茶葉がそろってるかどうかなんて、40年以上生きていて気にしたことがない。どうして、こんなにふぞろいなことを気にするのでしょう。考えてたら、勝手な妄想ではありますが、この商品が誕生したシーンが見えてきました。
茶工場・15時の休憩時間のお話
「ポッケさん!休憩するわよー」
休憩室から声をかけたのは、和代。茶工場勤務50年越えのベテラン。和代の隣で緑茶を入れているのは勤続30年の成子だ。ポッケさんは5年目の新人。ポケッとしているところがあるので、そう呼ばれている。
「わあ、大福おいしそうですね。」
「今日は、和代さんが持ってきてくれたのよ。」
休憩時間にお菓子とお茶が出るのは、この茶工場の伝統だ。ポッケさんもこの時間が大好きだ。目の前に置かれた大福を手に取り、口に入れ、3回噛んで、一度ボーっとする。一回大福をお皿に戻し、これまた目の前に置かれた緑茶をすすっと口に入れる。この繰り返しがたまらない。
「ここのお茶はおいしいですね。」
ここで飲むお茶は、スーパーで買って飲んでいたものとは一味違う。味が濃いというか、細かいことはよくわからないのだけど、落ち着くのだ。
「まあ、これ売れないヤツだがね。」
「茶葉がふぞろいだしね。」
成子が言うには、このお茶は茶葉がふぞろいだから、売っても消費者は買ってくれないのだという。だから、こうして深蒸しをして茶工場で飲んでいるんだそうだ。
「こんなにおいしいのに。ふぞろいなだけで売れないんですね。」
外で軽トラックが止まる音がした。社長が帰ってきた。自分の代でここまで会社を大きくしたやり手であるが、後継者不足という悩みを抱えている。息子さんは東京でマスコミ関係かなんかの仕事をしているらしい。
「ああ、皆さん、お揃いか。今日は、みなさんに相談がある。」
社長も休憩室に上がり込み、上座に腰を下ろした。大福に手を伸ばす。
「新商品のアイデアはないかな、と思ってね。」
ここの社長はやり手ではあるが、ビジネス書に影響されやすいのが少々困りものなのである。 よく休憩時間に「ブレーンストーミング」なるものが始まる。どんどんアイディアを出して、人の意見は否定しない方法だそうで、最新の経営術なんだそうだ。
また、今日は、さらに何かに感化されたようで、「画期的なアイディアは、最初は批判される」だの、「絶対売れないと思っていたものが売れる」とか、熱く語っている。
社長の「売れないものって何かな?」という質問に、和代さんは「インスタ映えする7色の茶葉はどうじゃね?」と答えた。おそるべし80歳。成子さんは「激辛なお茶」と。最近、テレビで激辛をよく見るからですと。まあ、よくそこまで絶妙に売れそうにないものを、思いつくものだと感心する。
「ポッケさんは、どう思うね。」
おおお。ポッケさんの番が回ってきてしまった。何も考えてなかった。ああ、こんなときはとりあえず視界にあるものを答えるのだ。
「このお茶、ですかね。」
読者の期待に答えて言いました。この展開、誰もがポッケさんが茶工場のお茶を提案し、新商品が生まれた話を想像したはず。なのに、みんなヒドイんです。
「はあああ!???!こんな茶葉がふぞろいなお茶を!??」
「売れるわけないがね。」
「ポッケさん、あんた、どうかしてるよ」
と、猛反撃。なんで、なんで、なんで、そんなにふぞろいじゃいけないの!?
で、実際どれくらい“ふぞろい”なのか
というわけで、どれくらい“ふぞろい”なのか、見てみました。
どこが、ふぞろいなんじゃね。
わかんない!ホント、わかんない!お茶の専門家の方がいらっしゃいましたら、茶葉がふぞろいなことがどれほどのも問題なのか教えてください。
ワッホイ、ワッホイ。
(スーパーで買った方が安いよ)