タマネギの皮でシャツを染めたら…めちゃ鮮やかな色になった!

2022年1月7日

タマネギの皮で染まるシャツ

 ある日のことでした。

 うっかりですね。ドアのチェーンを閉めて、寝てしまいました。

 まだ、夫さん、帰ってきてなかったのに……。

 いやー、不眠症気味なんだわ―、あたし―。とか、普段言ってるのに、ぐっすり寝てましてね。本当は寝てたんだねーみたいな。電話とかしてきたらしいんですけど、気づかなかったですわーみたいな。っていうか、夜は通知がこないように設定してました。不眠気味なので。

 ってなわけで、泣く泣く、夫さん、漫画喫茶で一夜を明かしたそうです。

 翌朝、感動の再会を果たすと、夫さん「大変なことが…起きちゃったんだ…」と、申し訳なさそうな顔をしています。

 なにが起きた?財布すられた??熱でも出た?なに?なに?って、思ってたら。

 「シャツが真っ赤になっちゃったああああああああ」

 と嘆いてらっしゃる。漫画喫茶のソファの赤い染料がですね、背中にべったりと色移りしたそうで。文化祭でサスペンス劇場ごっこでもやったかのような、ウソのような血の赤で染められていました。

 そのシャツは何かというと、試し縫いをしたものでして。裁縫やる人はそういうことするんですけど、本番用のいい布でつくる前に、安めの生地で縫うの。ところがどっこい、安い布のが肌触りがよかったらしく、妙に気に入ってくれていたんです。

 だから、なんてーか、あたしにとっては、どうでもいい……。

 のですが、妙に悲しそうな顔をしていたから、洗ってみるかと、洗剤につけてみた。で、このシャツは生成といって、繊維そのままを大事にしたような色合いです。それなら塩素系漂白剤使っても大丈夫かなーーって思った。で、つけておいたら……、ウソくさい赤は取れたんですけど……、

 漂白ムラができましたー!!!

シーチングのシャツ
こちらが、事件にあったシャツです
漂白むら
漂白むらができましたー

 シャツは……着られなくなってしまいました。ああ、神よ。哀れな仔羊をお許しください。洗剤だけでも落ちたような気がするのに、不安が募るばかりに塩素系漂白剤をいれてしまったことを。せめて、酸素系から試すべきでした。アーメン。

 すると、神からの啓示が降りてきました。脳に直接呼びかけられたのです。

 「タマネギの皮で、染めるのです」

 その手があったかー―ー!っていう謎のヒラメキ。って、前置きが長すぎますね。それでは、シャツをタマネギの皮で染めた話をはじめましょう。

玉ねぎの皮を集める

 1カ月以上かけて集めました。ネットには20グラム必要と書いてあったので、めちゃ気合い入れました。

タマネギの皮
玉ねぎの皮、集めました

 けっこう集まったので、測ってみると……。

はかりに乗せたタマネギの皮
これで、何グラムなんだろう?
はかりが42グラムを示す
42グラム!?

 42グラム…!!

 集めすぎたようです。でも、せっかく集まってもらったので、全部使うことにしましょう。

タマネギの皮を煮るところ
タマネギの皮、全部煮る。

 不織布に入れて、大きな鍋で煮ます。不織布に入れておくと、のちのち取り出しやすくなります。煮る時間はサイトによって情報が違うんですけど、とりあえず1時間煮込みました。鍋は、ステンレスかホーローを使ってください。他の材質だと化学的にうまくいかないみたいです。

1時間煮込んだ、タマネギの皮
1時間後

 皮を取り出すと、濃いめの紅茶みたいな色の液ができました。

タマネギの皮を煮たところ
タマネギの皮、煮るとこんな色なのね

シャツをぶっこんでいく

 シャツは事前に洗って、濡らしておきました。こちらを、どぼー―――ーんと、入れてみました。

タマネギの皮染料にシャツを入れたところ
どぼーん

 どのくらいの時間つけておくかも、サイトによって情報が違うんですが、とりあえず、20分煮込みました。たぶん、時間によって色合いが変わるとか、そういうのがあって正解がないんじゃないですかね。

 時々、かき混ぜると、ムラにならないらしいです。

20分後のシャツ
染まってる―

 20分染めたシャツを取り出しました。染まってますね。これを一回洗ってから、ミョウバンを薄めた液体につけます。

 ミョウバンの濃度は、わたしが見たサイトによると、1リットルにつき2グラム。ぬるま湯で溶かしておきます。

ミョウバン
ナスの漬物とかで使う用のミョウバンです。スーパーで売ってます。
浸けてみたら、少し、黄色くなった…

 ミョウバンにつけたら、少し色が変わり、黄色くなりました。なんか、化学って不思議ですね。で、これも20分漬け込みます。5分に1回かき混ぜました。

 で、また洗って、タマネギ液で染めて、洗って、ミョウバンつけてのターンを3回繰り返しました。

 すると…。

すごい色になってきた…

 めちゃくちゃ、染まった。想像以上に染まった。こんなに染まるもんなんですかー!!!

オシャレなシャツになりましたー! 

 じゃじゃーん。

タマネギの皮で染めたシャツ
いい色に染まりました
タマネギシャツを着たところ
着て、パリに行ったところ

 いやー、すてきなシャツになっちゃいましたよ。

 生で見ると、本当にいい色合いです。たぶん、ユニクロじゃ買えない色です。鮮やかなんだけど、目にやさしい。サインカーブじゃなくてクラリネット的な。食卓塩じゃなくて天然岩塩みたいな。クローントルーパーじゃなくてC3POみたいな。とにかく尖ってないんです。好きだわー。

 とはいえ…、元からあった漂白ムラは健在でした。もう、これは味として受け止めることにしました。ほんと、塩素系漂白剤、衣類に使っちゃ、ダメ、絶対。

漂白村は残りました
元から合ったムラは残った

 いやー、ほんと、想像以上に草木染めは楽しかったです。リアルマイクラみたいな気分でした。ちなみに、使った布は綿麻のシーチングです。この布で試し縫いした服は、他にもあるので、ワクワクが止まりません。新たな趣味と…出会ってしまったかもしれない。他のも染めていこう。


 調べてみると、「アボカドの皮」「ナスの皮」「リンゴの皮」「コーヒーのかす」「紅茶のかす」「緑茶のカス」とかでも草木染めができるそうです。ガンガン染めてくぜってばかりに、材料を集め始めたら、生ゴミがほとんど出なくなりました。初心者にオススメなのは、やっぱりタマネギの皮らしいです。失敗が少ないんですかね。めちゃくちゃ楽しいので、みなさんも、ぜひ、やってみてください!

 ワッホイ、ワッホイ。