高野豆腐は“もどし方”で味が変わる

2019年8月29日

高野豆腐の煮物

 高野豆腐って便利です。買い物がめんどくさい、めんどくさい、めんどくさいが3回続くと、さすがに食料がなくなってくる。そんなとき、タララッタラーと登場するのが高野豆腐なのです。買い置きがあると、めんどくさいが4回続いても、タンパク質にありつけます。

 そんなある日、高野豆腐料理をしようと思ったら、レシピの注意書きが目に止まりました。

 ※高野豆腐はもどし方で味が変わります。

 まじか。そんなことあるのか。というわけで、実験してみました。

水・ぬるま湯・熱湯 どれが最適か?

あさひ高野豆腐
あさひ高野豆腐で実験するよー

 戻すときの水の温度と時間を変化させました。

温度 時間
28度 15分
ぬるま湯38度 10分
熱湯80度 5分

 水は水道水、ぬるま湯は給湯器、熱湯は沸かしてポットに入れておいたお湯です。猛暑のさなかだと、水道水って28度もあるんですね。そんなことはさておき、高野豆腐をそれぞれ漬け込みます。

 時間差で戻し始めて、同時に完成させました。結果、熱湯で戻したものが大きく膨らんでいる印象でした。水とぬるま湯はそもそも温度差が小さかったこともあって、さほど違いは感じません。

それぞれの条件で戻した高野豆腐
熱湯で戻した方がふくらみが大きい

 戻し終わったら水気を切ります。これが熱湯だとしぼるとき熱い、熱い。やけどには気を付けてください。さらにですね、熱湯でもどすと、高野豆腐が崩れやすくなります。

熱湯で戻した高野豆腐
熱湯で戻すと崩れやすい

 パッケージにも「味をつけずに煮ると煮崩れます」と書いてありましたが、お湯につけただけでホロホロしてくるんですね。雑に扱うと、すぐに二つに割れてしまうような状況でした。おおおお。

戻したら、煮ますよー

 次に、だし汁で煮ます。だし汁は、高野豆腐に添付していたものを、そのまま説明通りに使います。

三分割法
鍋を三分割して一気に煮る

 天才的実験方法。アルミホイルで仕切って、3通り分一気に煮ることにしました。落し蓋をして煮ます。

落し蓋
お気に入り過ぎて使い込みすぎなおとしブタ。箸を鼻に突っ込んで蓋を取る。便利。

 10分煮たら完成です。

高野豆腐の煮物 完成
時計で言うと1時~5時がぬるま湯ゾーン、5時~9時が熱湯、9時~1時が水

戻さないレシピも試してみた

 パッケージには「戻さないで食べられる」というレシピが載っていました。添付のだし汁にそのまま高野豆腐を突っ込んで、電子レンジで加熱するという方法です。

煮汁につっこんだ高野豆腐
だし汁にそのままつける
電子レンジ調理の高野豆腐
電子レンジで6分加熱で完成

たしかに、味は違った

高野豆腐の煮物 条件違い
見た目はたいして変わらない

 食べ比べて、大きく違ったのは“食感”と“味の濃さ”です。熱湯の方が舌触りが滑らかになりました。より絹ごし豆腐に近づいている印象です。一方、味が薄く感じる……気がしました。とはいえですね、一緒に食べていた家族は「これ?何が違うの?わからないんだけど」と言っていたので、そのくらいの違いです。気にしなくていいと思います。

 結論:レシピの言うことは正しいが、気にしなくていいこともある。

高野豆腐の煮物の実験風景
どれもおいしいよ

 ちなみに、電子レンジ調理の方ですが、こちらは「おばあちゃんの味」でした。読者のみなさんのおばあちゃんの味は知りません。うちのおばあちゃんの味です。食感がザラザラしていて、そしてもう、何年保存してたヤツを出してきたのかわからないくらいに棚のニオイが染みついてる。ああ、これが高野豆腐だわーと、懐かしく思う味です。うちのばあちゃん「戻さなくて大丈夫よ」とか言いつつ、そのまま煮そうなタイプなので納得です。あ、でも、おいしいですよ。

 ワッホイ、ワッホイ。