一年かけて作ったトマトパスタがうまい
![1年かけて作ったトマトパスタ](https://tomatoman.jp/wp-content/uploads/2022/07/blog_220701pasta03-1024x769.jpg)
1年かけて作ったトマトパスタがおいしかった。
バジルを育てるのに、1年かかった。
育ててみようと思い立ったのが遅すぎたのだ。
芽が生えてきたところに、冬、到来。
寒さに震えてしおれそうになるバジルに、アルミの保温シートをかぶせ、
「がんばれ、がんばれ」
と、応援し続けた。
願いは通じた。
「福寿草が見頃です」なんてニュースを聞くようになったころ、急に元気を取り戻した。
ってなわけで、パスタにして、いただいた。
うまい。
![収穫したバジル](https://tomatoman.jp/wp-content/uploads/2022/07/blog_220701pasta02-1024x769.jpg)
驚くほどうまい。
新鮮なバジルというのは、こんなにも香りがいいものなのか。
都会で生まれ育ったせいだろう。私は、東京の空気を無色透明に感じる。
故郷の空気は、匂いを感じないのだ。
窓を開け、部屋に風を取り込む。
空はかすんでいて、PM2.5が飛んでいそうな気がする。
けれど、それでも、今日の風は気持ちがいい。
わたしは、トマトパスタを食べた。
うまい。
![育ててたバジル](https://tomatoman.jp/wp-content/uploads/2022/07/blog_220701pasta01-1024x769.jpg)
まるで、森にぽつんとあるカフェの味なのである。
「これなら、わたし、店開ける」と確信した。
時間をかけた料理はうまい。
「それは、そうですけどもー、
バジルを育てるのに1年かける意味なんてないでしょ?」
そう思うかもしれない。
ある意味、正しい。
化学分析的には、なんの差もないかもしれない。
しかし、違うのだ。
絶対に違うのだ。
ともに超えた冬の時代。
その思い出こそが、重要なのだ。
はじめるのが遅かった?
そんなことはない。
何にしても、遅すぎるということはない。
遅ければ、少し苦労はするかもしれない。
若い人ほど、簡単には覚えられないかもしれない。
けれども、その苦労こそが、あなたを形作る大事な要素となるのだ。
バジルだって、そうだ。
いま、ここで味わえる、この最高のさわやかさは、時間をかけたからこそなのである。
わたしは、このネタを、だいぶ寝かせた。
お気づきでしょうが、バジルが再び生えてきたのは2月。
パスタにしたのは5月の連休のころだった気がする。
で、いま、7月。
だいぶ面白くなってるはず。
ワッホイ、ワッホイ。
※つまり、夏休みの宿題は10月頃やるとおいしいと思うよ。