ニャンコの帽子を編むために『世界でいちばん愛らしい帽子ねこ』を解読した

 『世界でいちばん愛らしい帽子ねこ』という本があります。ねこちゃんが手編みの帽子をかぶっていてですね、それはそれはかわいい。「写真集ですか?」ってくらいに装丁もしっかりして、「いやされるーーーぅぅぅ」ってなります。しかしこの本を参考に帽子を編もうとすると、大問題が発生します。

 説明が、難しすぎますって。

 説明が雑というか、玄人向けというか。「増し目は、目の前と後ろから針を入れるkfb」っていわれて、わかるわけないやろーーーー!!と本の表紙をぴしゃりと閉じましたよね、最初見たときは。

 筆者はかぎ編みでアクリルタワシくらいは編みますけど…ってレベルです。棒編みは、腹巻きを2個ほど編んだことがあるくらい。FF7で言ったら、レベル17くらいですね。それでも、冒頭の写真のような作品を編むことができました。というわけで、この本を手に取ったけど、わからなすぎてあきらめているあなたのために、本の解読方法をお伝えします。

 ちなみに、筆者は本の著者や出版社の収入を奪いたくないので、この記事を読んだだけでは、作り方はわからないように書いています。まずは本を買いましょう。すっごくかわいいですし、編めるようになったら、めっちゃたのしいデスヨ!

道具をそろえる

 毛糸、棒針、かぎ針、とじ針が必要です。全部ダイソーで売ってますね。棒針は小さいダイソーにはないみたいです。筆者は見つけられなくて、クロバーのちょっといいやつをAmazonで買いました。ダイソーの棒針の方がザラザラしていて毛糸との摩擦がありますが、まぁ、編めないことはないって感じですね。号数とかは本の指定に従ってください。ページごとに、いろんな道具を使い分けしていて、大変ちゃー、大変ですよね。

 そして、ダイソーの毛糸で猫ちゃんが嫌がらないのか、という問題があります。実は、筆者、ねこを飼ってないんです(友人に作ってって頼まれたんですよ)。なので、よくわかりません。嫌がるようでしたら、もちっといい毛糸を使ってあげてもよいかと思います。まあ、最初は練習だし、安いものでチャレンジしてみましょう。

必要な材料と道具
かぎ針と毛糸はダイソー製

ダイナソーの土台を編んでみよう

  10ページのダイナソーを編んでみます。土台がつくれてしまえば、この本のほとんどのものはつくれると思います。

ダイナソーの写真
ダイナソーをつくるよー

ガーター編みをマスターしよう

 猫ちゃんの帽子は、ほぼガーター編みでできています。インターネットで「ガーター編み」を検索してみましょう。いろいろ動画が出てくるはずなので、それで学びます。ガーター編みすら初体験というかたは、帽子を編む前に10目×10段くらいの四角を試しに編んでみるといいと思います。編み物って慣れも大事。

 最初はわけわかんないと思いますけど、動画を止めて、巻き戻して、再生してを10回も繰り返せば、なんとかなるかと思います。がんばろう!

 ガーター編みを解説する動画なら、たいがい作り目のやり方も説明していると思います。なので、そのやり方で作り目をして、1段目はガーター編みをしましょう。

3目、作り目したところ
指定の長さの糸を残して、作り目をする

2段目:kfbで増し目

 2段目はいきなりのkfbです。「増し目は、目の前と後ろから針を入れるkfb」で、もう、初心者は「フォァ!?」ってなるはず。またまた、インターネットを検索しましょう。「棒編み kfb」とかで動画を探します。どうやら日本ではマニアックな方法らしく、動画は少なめです。

 最初の目でkfbしたら、しばらく表編みをして、最後の1目でkfbです。すると、2目増えます。ちなみに表編みというのはガーター編みの編み方のことです。

 本に書いてある段で、両端に増し目をしながら編みすすめていくと、三角形ができてきます。

三角形が編めていく様子
増し目をしながら編んでいったところ

13段目、伏せ目

  本の103ページに“伏せ止め”が書いてありますが、どうも、“伏せ目”も“伏せ止め”も同じでいいっぽいです。伏せ止めは一般的な方法なので、これまた「棒編み 伏せ止め」で検索してみましょう。

 3目表編みしたあと、伏せ止めに入ります(つまり、合計5目表編みしたら、かぶせる感じ)。最後、左手に残る目が2目になったら、表編みをします。結果、右に3目、左に2目の状態になります。

伏せ目を10目したところ
右に3目、左に2目になる

14段目:作り目

  ここが本当に悩んだところです。本当にわからなかった。なので、適当にやってますが、このブログを見た編み物詳しい方がいたら、正解を教えてほしいのです。Twitter:@tomakomakoまで、よろしくお願いします。

 まず、2目を表編みします。

2目を表編みしたところ
2目を表編みしたところ

 裏表をひっくり返して持ちます。

ひっくり返したところ
左手が2目、右手が3目

 ドイツ式の作り目だという、梅村マルティナさんのやり方で作り目をします。貼り付けた動画の53秒あたりからの手順です。

作り目をしたところ
作り目しました

 そして、もういちど、裏表をひっくり返して、残りの目を表編みにします。このとき、毛糸がびよーーーーんって伸びてしまうので、編んだら引っ張り、編んだら引っ張りとして、だぼつかないように気をつけます。

毛糸が伸びている様子
ここの毛糸が伸びがちで、ほんとにコレでいいのかなって思う。
耳穴ができたところ
とはいえ、耳穴っぽい物ができました

34段目:減らし目

 33段目は、ここまでに学んだ知識でできるはず。ってことで、どどーんと飛びます。ふたつめの耳穴ができたところですね。

耳穴が編めたところ
反対側の耳穴まで編めました

 ここから減らし目をします。「減らし目は、2目いっしょに糸を引き出す左上2目一度で行います」とあるので、インターネットで「左上2目一度」と検索してみましょう。本当にこんな単語あるんですね。動画がちゃんと出てきます。

  本に書いてある段の両端で減らし目をしながら編んでいきます。最終段が編み終わったら、伏せ止めします。

1目になっているところ
伏せ止めして、最後に糸を引き抜く前に、糸を切ったところだよ

あごひもを作ろう

 「3目の伏せ止め部分に、かぎ針を差し込んで、残した毛糸を引き出して輪を作ってから、くさり編みします」。って、よくわかんなかったんですけど(編み物って言葉で説明するの難しいよね)。

・3目の伏せ止め部分→あごひもをスタートさせたい目
・輪を作ってから→特別に何かしなくていい。くさり編みするときに、毛糸をひきぬくじゃん。それって輪になってるじゃん。だから、それ。

 と、解釈して、くさり編みをしました。

 くさり編みの動画も貼っておきますね。かぎ編みの基本の編み方なので、解説動画はいくらでも見つけられます。

くさり編みをしている様子
毛糸を引き出して、くさり編みを開始
両端をくさり編みしたところ

 こうして、土台が完成しました!

ねこ帽子の土台
土台ができたぞー

 ここまでできれば、装飾の部分は、がんばれると思うんです。ダイナソーにしたり、モヒカンにしたり、いろいろ作ってみましょう!

かぎ針オンリーでも作れるっぽい

 ちなみに本を読み進めていくと、かぎ針だけで編めるやり方も書いてあります。富士山はかぎ編みで作りました。84ページのサンタさん帽子のアレンジです。

一鷹二富士三ナスビトリオ。本のアレンジで作りました 年賀状に使いたいと友人に頼まれたんですよ

 ガーター編みだとふわっふわしたさわり心地で、かぎ編みだとしっかりした風合いになります。どちらがねこちゃんのお好みなのか…飼っていない筆者にはわからないです…。ごめんなさい。個人的な好みはガーター編み♪

ガーター編みとかぎ編み比べ
ガーター編み(右)のほうがふわっふわ

 カウボーイハットも、かぎ編みオンリーで編めます。本の通りに作れなかったので、なにが正解なのかわからないのですが、見た目はそれっぽくなりました。うーん、かわいい!

猫用のカウボーイハット
カウボーイハットだああ

 以上が、筆者の解釈デスっ。お役に立てたでしょうか。すっごいかわいいので、次々編みたくなりますよ。そして猫ちゃんは小さいので、数時間で完成させられるのもうれしいところです。人間用のマフラーとか編んでると、もう、終わりがみえなくて、つらくてつらいじゃないですか。というわけで、頼まれていない分まで作って友人宅に送りつけました。猫ちゃん…気に入ってくれるでしょうか。か、かぶってほしいんだなー。お願いだ。かぶってくれー。

 ワッホイ、ワッホイ。