巻き舌は「札幌ラーメン」ではできない。そう、あなたが口呼吸なら

「札幌ラーメン」ではできない人のために書きました(May_hokkaidoによるPixabayからの画像)

 巻き舌できずに、46年間生きてきました。

 それが、それが、できるようになったんです!

 私の人生、今までに、なんど、「札幌ラーメン」「とろろ昆布」と言ったことか。

 食べた回数よりも、言った方が千倍多いに違いない。

 どんだけ言い続けてもできなかったのに、あることに気づいたらできるようになりました。

 

 それは、みんなが発音する「ラ」と、私の「ラ」は舌の使い方が違う。

 えーと、何を言ってるかわからないですよね。

 私、口呼吸なんですよ。慢性鼻炎なの。

 鼻で息ができないんですわ。

 だから、なんか、他の人と舌の使い方が違っちゃってるっぽいんですよね。

 完全に自己流なんですけど、もしかしたら、誰かの参考になるかもしれないので、巻き舌ができるようになるまでに考えた理論を書き留めておきます。

 すっごい長いですけど、お役に立ちそうでしたら、ぜひ、参考にしてみてください。

よくある巻き舌練習法

 今の時代、なにか知りたかったら、まず、動画を検索しますよね。

 私も、最初は、そうしました。

 あ、ちなみにですね、もし、このページにたどり着いたあなたが、私と同じ管楽器の“フラッタータンギング”ができないことでお悩みでしたら、ボイトレ系(タングトリルで検索すると出てくる)の動画がおすすめです。楽器系の動画は演奏家がついでにやっていることが多いですが、あちらは教えるのが本職の人が大量にいるので、なんかノウハウが違います。ホルンでフラッターをやる方法を教えることを本職にしてる人とかいないよ、絶対。

 で、ですね。私も色々見たのですが、よくあるアドバイスは、この4つでした。

札幌ラーメンと言い続けよう(「とろろ昆布」「トゥルトゥリ」など、亜種あり)

・めっちゃ強く息を入れよう。腹式呼吸だ!

・舌の筋トレをしよう

・舌の力を抜こう

 できるようになってみて思ったことは、筋トレ以外は、ほぼ無用なアドバイスでした。いや、もちろん人によると思います。この4つのアドバイスでできるようになる人は多いのでしょう。けど、私は、できなかったんです。

 できないとなれば、この方法にこだわらずに、他の方法を探すのがベストです。

 何故できないのか、考えました。

 私が至った結論は、「口呼吸だから」なのでした。

口呼吸の人は、舌の位置がデフォルトで違う

わたしの鼻炎歴はかなりガチです

 まず、私がどのくらいの鼻炎なのか、先にお話しておきましょう。

 いつからかというと、生まれたときからです(多分)。

 母の子育て日記がありまして、私は12月12日生まれなんですけど、12月21日には「風邪ではなさそうだけど、鼻がつまってる…でも、かわいい」って書いてありました。

 保育園では、「食べるときには口を閉じろ」と何度も怒られました。心の中では「イヤイヤイヤイヤ、食事中、ずっと息止めろというんかい」と思っていました。やたらと怒られるので、いっこく堂よろしく、口が閉じているように見える口呼吸を編み出しました。

 初めて、鼻で息を吸う体験をした日のこともはっきりと覚えています。18歳でした。厚木の森に囲まれる生活をしてたら、なんか、ちょっとだけ通りました。ホントに鼻って空気吸えるんだって思いました。

 社会人2年目。耳がおかしくなって耳鼻科に行ったら、「鼻、つまってるねー。苦しいでしょ」と言われました。本人的には「今日は、自分史上最強に通ってる。」って思ってたのでビックリ。一般人とは話が合わないなと思いました。

 最近ではだいぶ通ってきましたが(と思ってる)。こんな人生ですので、筋金入りの口呼吸です。鼻なんて、呼吸器官としてはサブもいいとこ。ってなわけで、本来あるべき舌の位置なんてものは、まったく知らなかったのです。

知ってた?舌ってデフォルト上顎についてるんだって

 で、口呼吸である私は、舌を普段どうしているのか説明しましょう。

 「下の歯の内側ってさ、舌を収めるのにちょうどいいフォルムしてるじゃない。ここに舌を収めるために、この形になってるに違いない」と信じてました。

 舌を降ろしてないと、口呼吸ってできないですからね。

 それ、全然、違うんです……。

 鼻で息をする民の舌は、デフォルトで上顎についているそうです。

 詳しくは、今井先生の本をどうぞ。

 ほんとうに、びっくりです。

 最初は、とてもじゃないですが、信じられませんでした。

 「上顎に舌をくっつけてたら、疲れるじゃん!?」って思いました。

 でも、本当らしいんですよ。

デフォが違えば、発音時の舌の使い方も違う

 で、わたしが「札幌ラーメン」の「ラ」を発音する場合、舌をどう動かしているのか。

 舌を降ろした状態から、ちょいと舌先を上げて上顎につけるだけです。

 その結果、たぶん、鼻呼吸の民より、舌が前に出ています

 だから、「札幌ラーメン」と言い続けても、巻き舌ができる気がしなかったんだと思うんです。

 まず、舌のデフォルト位置を知る。これが必要になります。そして、大事なのは、舌の付け根のデフォルト位置です。

舌の付け根を意識しよう

 で、舌のデフォルト位置なんですけど、今井先生の本を読んでも、本来の位置には戻りません(多分)。

 わたしの場合ですけど、舌の付け根は前に出た状態のまま、舌先だけ上顎につけるようにしていました。

 なぜか。

 舌を前に出すのがデフォルトになりすぎてて、舌の付け根がもっと奥に行けることに気づけてなかった

 これが、原因だったと思います。

 舌の付け根って、舌骨っていうらしいのですが、喉仏のちょっと上、ちょっと横くらいのところにあります。そこを指で軽く押さえて舌を動かすと、いっしょに動くと思います。

 って、本に書いてありました。詳しくは、こちらの藤本先生の本をどうぞ。

 いや、実は、私、これ、よくわからなかったんですよね。

 ほんと、口呼吸をこじらせすぎてて、舌の付け根の動きが悪くなってるんだと思うんです。 

 で、舌骨のあたりを軽く指で押さえて、舌を動かしていると、舌骨のあたりの力が抜けてきます。これをやっていると、舌骨がより動くようになるんです。

 そして、気がつくのです。

 おまえ、もっと、奥に行けるんじゃない?

 舌の付け根は、もっと肺に近い方に動かせるんです。舌はもっと奥にひっこめられる。口呼吸のクセがひどくなければそうはならないと思うのですが、わたしの場合、46年間、前に出っぱなしだったと思います。

 鼻がつまる→口呼吸になる→舌が落ちる→舌が前に出る→舌の付け根も前に出る。

 この状態でずっと暮らしていることになります。

 そして、その状態で筋肉が固まります。

 動かしてみたら、最初、「バキバキバキッ」っていいましたもん。

 みなさんも、無理はしないでネ。

 巻き舌は、舌の付け根が、この「正しいデフォルト位置」に来ていないと難しいと思います。

 いや、これがホントに「正しいデフォルト位置」なのかしらんのですけど、そういうことにして、以下、話を進めます。

 ついでに言うと、ホルンで低音出すときも、舌の付け根の位置の問題じゃないかって最近疑ってます。

 ホルンで低音吹くとき、口は「o(オー)」の形とか、よく言うじゃないですか。

 鳴りそうなところを見つけたら、「どこが、オーなんだよ」って思ったんですよ。

 そこから、ふと、あたし、他の人と口の使い方違うんじゃ?って疑いはじめたんですよね。

 この理論、そんな感じで生まれました。

 さあ、これで巻き舌をやるための準備が整いました。

 巻き舌を、鳴らしていきましょう。

巻き舌って、そもそも、どうやって振動してんの?

 鳴らせる気にさせておいて申しわけありません。

 先に、巻き舌はどんな原理で音が鳴っているのかを説明させてください。

 2枚の紙を重ねて、その隙間に息を吹きいれると、紙は振動します。

 いや、できたことないんですけど。教科書的にはそうなるらしいです。

 この現象はベルヌーイの定理だととある金管楽器の教則本に書いてあったけど、違うらしいですね。流体力学的な説明は置いておいて、とりま、そういうもんだ。ということで、話を進めましょう。

 違うらしいとか言っておいてなんですが、参考文献としてその本のリンク張っておきます。この先もこの本を参考にさせていただいた内容があるので。

 そうそう。紙と紙の隙間は狭い方が振動しやすいです(←ここ大事。テストに出るとこ。)

 で、これは紙2枚でなくても、板1枚、紙1枚でも振動します。

 いや、できたことないんですけど。教科書的には(以下略

 では、板が上顎、紙が舌。そう置き換えてみましょう。

 クラリネットで言い換えるなら、マッピ(黒いヤツ)が上顎、リードが舌です。

 上顎と舌の隙間に息を吹き込んだら、舌が振動しそうじゃないですか。

 そうです。それで振動させているのが、巻き舌なんです!

 舌は巻きません!!

舌と上顎の間の隙間を作らないようにして、息を吐いてみよう

 さっき説明しました、「正しいデフォルト位置」に舌を持っていきまして、息を吐けば振動します。

 ん?できない?

 ですよねー。

 振動しないとするならば、考えられる理由は2つです。

上顎と舌との隙間が大きすぎる

舌に力が入っている

 ひとつずつ説明していきましょう。

舌全体を上顎にピッタリとつけるようにしよう

 舌が落ちているのがデフォルトになっている人(つまり、私)は、「舌を上顎につけよう」と言われましても、舌先だけが上顎についている状態で、喉の近辺と舌の間には隙間があったりします。

 これでは巻き舌はできません。

 さっき、テストで出るところといった話に関係します。

 紙と紙の隙間は狭くした方が、振動します。

 なので、舌と上顎の空間はなるべく無くすようにします。

 あと、冒頭でできてきた「息を強く吐こう」のアドバイスが無意味だと思ったことも、ここで説明しましょう。

 巻き舌をするには、息のスピードが必要です。

 紙2枚の場合でも、息が速い方がよく振動するのは、想像できると思います。

 でも、これ、強く吐こうとする必要はないです。腹式呼吸とか、そんな意識しないで大丈夫です。

 例えると、ホースをむにゅってつぶした方が、水が勢い良く出ますよね。

 息のとおり道を狭くすれば、息のスピードは勝手に上がります。

 なので、上顎と舌の間の空間が狭くなれば、勝手にスピードがあがります。

 スピードが弱いのは、この空間が広いことが原因な可能性がありますので、強く吐くことよりも前に、上顎と舌の空間をいかにして狭くするかを考えたほうが、うまくいくと思います。

 まあ、私が普段から金管楽器を吹いているので、そう思うだけかもしれませんが……。息が極端に弱い人だと違うのかなー。でも、ホルンで音量出すときも、息を強くするより、アンブシュアを開いたついでに、どこかの経路を狭めること考えた方がうまくいくような気がしてるんですよねー。

 で、どうやって狭くするかというと、感覚的には、舌全体が“上顎から喉”にかけて全部ついている感じです。

 私は慢性上咽頭炎もあるんですけど、痛いところがちょうど唾液で満たされて、潤いを与えてくれる感ある感じです。扁桃腺も近いかな。その辺が癒やされる感じです。

 舌をそんな位置まで持っていってみてください。

 あと、仰向けに寝ると、重力で舌が喉側に落ちるので、少しやりやすくなります。ご参考に!

「舌の力を抜く」のは最終目標でいい

 振動しない理由に「舌に力が入っている」があると言いました。

 舌が“紙”の役割を果たすので、力が抜けたやわらかい状態じゃないと振動しないのは、想像しやすいかと思います。

 でも、わたし、最初に「舌の力を抜け」とのアドバイスは無意味とも冒頭で言いました。

 この件も含めて、解説いたします。

 鼻で息吸う民は、巻き舌ができる舌の位置がデフォルトです(多分)。

 なので、力を抜けば、その位置に舌が来ます(多分)。

 しかし、口で息吸う民は、ふだん、そんな舌使いをしてません。

 だから、その位置に持っていくのには、力がいるんです。

 力を抜いたら、いとも簡単に、舌は上顎から離れてしまいます。

 「正しいデフォルト位置」を維持するのには、力がいるんです。

 体が硬い人が前屈をしようとしたら、力がいるじゃないですか。

 柔軟性と筋肉が足りていない間は、力が必要です。

 そのため、最初から力を抜くこうと意識することはオススメ出来ません。

 なので、やるべきことは、舌の筋トレです

 この動画の3:20くらいからのトレーニングは毎日やっていました。

 柔軟性と筋肉がついてくると、自然に力を抜いても、上顎と舌の隙間を維持できるようになってくると思います。

 というか、ちょっとでも「プルッ」ってなってくれれば、あとはやり続けてる間に、筋肉も柔軟性もついてきます。だから、ちょっとでも、ちょっとでも鳴ってくれればできたも同然……。

 さあ、がんばろー!

 と、急に丸投げな感じになっていますが、実は、舌の力が抜けるとっておきの方法があります。

舌の力を抜く方法(ただし、鼻で息ができないと無理)

 まず、舌を正しいデフォルトの位置に持っていってください。

 しっかりと上顎につけようとしなくていいです。舌の力は抜いてください。

 で、鼻から息を吸います。

 すると、上顎と舌の間の空間の気圧が下がります。

 なので、勝手に舌が上顎に吸い寄せられます。

 息を止めないで(止めると力が入るので)、そのまま息を吐けば、ほーーーーら、鳴りません?

 ん?鼻で息が吸えない?

 そっかー、そうだよねー。

 そうなんですよ。結局、巻き舌できないのって、鼻が使えないからかもしれないんですよ。

 正直、あたしも、鼻をつまむと、めっちゃ巻き舌やりにくくなります。

 慢性鼻炎って耳鼻科行っても治らないですしね(個人的経験談。医者運悪いだけかも)。

 わたしは、上咽頭炎を治したら、だいぶよくなりました。が、Bスポット治療は合わなかったので、別にオススメするわけでもないんですけど。あるなら治した方がよいものなのは間違えないと思うので、参考文献はっておきますね。

ちょっとでもできたら、あとは繰り返し練習あるのみ!

 さて、いかがでしょう。

 ちょっとでも、鳴りました?

 まずは、ちょっとでも「プルップルッ」と鳴る感覚をつかんでほしいんです。

 1プルッができれば、あとは繰り返し練習することで、だんだんと長くできるようになります。

 自転車と同じです。最初10センチでも“乗れた感覚”をつかめば、あとは繰り返すだけ。だんだんと長距離でも乗れるようになります。

 私は、毎日3プルッくらいを1カ月ちょっとやってたら、だいぶできるようになりました。

 コツとかも考えながらやっていましたけど、結局はわかりませんでした。数をこなせばできるようになるって感じでした。気が遠くなりますが、きっとできます

 がんばりましょー!!


 と、いうことで、こんな長い記事(しかも、画像無し)にお付き合いいただき、ありがとうございました。ほんとう、体の使い方は人それぞれ。ある人のアドバイスでできなくても、他の方法があるかもしれません。この話もそのひとつ。誰か響く人が一人でもいればうれしいです。この方法でできなくても落ち込まないでください。他の方法を考えれば、きっと答えがあると思います。

 あと、指導者の方とかで、もし、この方法で生徒に教えてみたい、講座の動画をつくりたいなどありましたら、ご自由にどうぞ。こういう技術的なことは著作権とか主張してたら世の中が成長しなくなります。共感いただけるポイントがあるようでしたら、どんどん使ってください。

 ちなみにですね、わたし、巻き舌はできるようになりましたが、未だに「札幌ラーメンで巻き舌」はできません。それはまた、別の練習が必要みたいです。札幌ラーメン……ムズカシイ。

 ワッホイ、ワッホイ。