ジャーマンポテトは10日かけて作るとおいしい

 ジャーマンポテトにぃぃーーー!?10日ーーーー!?

 と、驚いて、クリックしたかもしれません。すみません。釣りました。

 答えは、自家製ベーコン!!ですー。

 あー、怒らないで。怒らないでー。ほんとに、ほんとに、おいしいんですよー。この記事最後まで読んだら、「いや、それ、絶対ウマいわ」ってなるからー。

 今まで、食べてきたジャーマンポテトとは別世界の料理っていうくらいに違うんです。そうねー、村のシンデレラとお城のシンデレラくらいに別人。おしんが小林綾子から田中裕子に変わったくらいに別人です。

 では、どこに10日かかったのかお伝えしましょう。ベーコンって燻製するだけじゃなかったのだよ。

ベーコンって燻製するだけだと思ってた

 3年ほど前、「燻製用土鍋・いぶしぎん」を買いました。煙がもれにくい燻製機ってヤツです。

 ガスパッチョポイントが溜まっただけという動機もあり、ろくに調べずに買いました。燻製って専用品がなくても、中華鍋でもできるんだね。

 で、買いまして。豚バラ肉をそのままぶち込んでー、燻製にしてー、「自家製ベーコンっておいしいねー」とかいって3年くらい過ごしてました。はっきりいって、私、ぼーっと過ごしてました。

 石で頭殴られたような衝撃でした。

 ベーコンってさ、燻製するだけじゃないんだね。だねーだねーだねー(エコー)

 キッカケは、燻製道士さんの本でした。バリエーション増やしたいなって思って読んだ。驚いた。

 ベーコン作るのに、10日かけてるーーーー!!!!

 ほんと、目が飛び出ましたわ。燻製機にぶち込むだけじゃないんですわ。そういえば、洗濯王子の洗濯術も洗濯機にぶちこむだけじゃなかったわ。ていねいな暮らしをしている人は、やることが違う。

 というわけで、本の通りに作ってみることにしたのです。

まず、塩とか砂糖につけて、7日置く

 最初の項目から7日かかるレシピ本とか、初めて見ました。

 有料で売っている本に書いてあることなので、調味料の分量とか、細かい引用は避けさせていただきますが、まあ、塩とか砂糖とか、ローリエとか、そういうのにつけて「冷蔵庫で、7日置く」んだそうです。

 消費期限すぎてまうじゃないか、とか思っちゃいますけど、塩があるから大丈夫なんですかね。だから、塩、めちゃくちゃ多めなんですかね。

 指示に従って、肉と調味料をビニール袋に入れ7日おきます。1日1回ひっくり返します。

これで7日置く(冷蔵庫で)。

 まあ、7日かかるといっても、置いておくだけなので手間はかかりません。

 私よりも、家族の方がウキウキしてました。冷蔵庫開けるたびに視界にはいるらしく、「これなにー?」「いつ食べるのー?」「僕もご相伴にあずかれるー?」と質問攻め。肉は、家庭を平和にするのです。

 そして、できたものがこちらですー。

7日経ちました

 肉ー。

 さあ、燻製しよう。てーと、まだまだやることがありまして。次は塩抜きです。

塩抜きに4時間。

 流水につけて塩抜きします。本によると4時間(゜д゜)

 せっかく7日もかけて漬け込んだのにもったいない……とか思っちゃう。

塩抜き中

 4時間後に、切れ端を焼いて食べてみたのですが、しょっぱいんですよね。

 なので、5時間やってみたんですけど、しょっぱいんですよね。

 まいっか、って次の工程に行きました。

 あとで調べたら、塩抜きは8時間~12時間とする資料もあって、みなさん気が長いようです。

 次こそ、燻製だー!って思ったら、違うんですよ。次は乾燥工程です。

冷蔵庫で12時間、乾燥させる

 水を拭いて、キッチンペーパーに包んで、冷蔵庫で12時間乾燥させます。

冷蔵庫で乾燥させます。12時間(゜д゜)

 計画性がないというか……はじめた時間が悪くて、

 12時間後は深夜1時ですけどー。

 ってなタイミングだったので、20時間くらいは乾燥してもらいました。

 翌朝ですよね。さて、燻製するぞー!って思うじゃないですか。まだなんですよ。

日陰で1時間風乾させる

 燻製道士さんによると、乾燥って大事らしいんです。

 なので、ダイソーで買ったUSB扇風機に当てておきました。コレでいいのか?

扇風機当てときました

 もう、美しい肉のフォルム。アートじゃ、アートじゃ。

 さあ、次こそ、燻製させろおおおおお。ってなテンションなわけですが、ならないんですよ。これが。

電子レンジで2時間発酵させてみた

 いや、発酵じゃないんですけど。

 本によると、「スモーカーに吊して、スモークウッドを入れずに、50度にして、2時間温乾」っていうんですよ。いぶしぎんにそんな機能ないじゃないですか。

 じゃあー、電子レンジで40度で発酵させちゃおっかー。

 ってなノリです。それでいいのかは知りません。

肉、発酵モードを堪能

 ピロリロリロリロリロリロリー(電子レンジ完了の音

 さあ、いよいよ。燻製だーーーーー!!今度は、本当に燻製しますーーー!!

やっとだー!燻製するのだー!

 やっと、燻製の工程に参りました。ほんと、長かった。

 そろそろメロスが帰ってきて、抱き合って、祝宴も終わって、解散してる。

 で、肉をいぶしぎんに入れます。

いぶしぎんにセット

 何度みても、にやけてしまう、このお姿。

にくー

 上の段に、ニンニクをセットします。

 香り付けとかそんなんじゃなくて、単にニンニクの燻製も欲しかっただけです。

ニンニクのくんせいも乙ですわよ

 そして、30分くらいで燻製が完了します。

 開けるよ。開けるよー!

 まずは、ニンニクのくんせいーーーー!

ニンニクの燻製!

 はい、そして、肉ーーーー!!!

できましたー。ベーコン。

 ああ、もう、香りがベーコン。この瞬間のために、今まで手間をかけてきたのだ。

 さあ、食うぞ。

 食わなくてどうする。

 食わせろーーーーー!!!

 って思うじゃないですか。まだなんですよ。

 ここから「冷蔵庫で12時間寝かせて、出来上がり」なんです。うおおおおおおおおお。

 どんだけ、時間かけるんじゃーあああああああ。

 ていねいな暮らしをしすぎなんじゃああああ。

 と、文句を言いつつも、ちゃんと待ちました。あたし、優等生なんで。

 ちなみに、ニンニクはオリーブオイルに漬けます。経験上、漬けてから2~3日したほうがおいしくなってますね。お前も待つんか。

燻製ニンニクのオリーブオイル漬けもおいしいですよ

10日目にして、ようやく、本調理なのだ

 翌朝になりました。

 冷蔵庫からタッパーを取り出します。ふたを開けるとベーコン。あなたが、ただ、そこにいるだけで香りが立ってきます。

 ああー、しあわせー。

 スライスするたびに、さらに香りが広がります。

 ああー、しあわせー。

 で、切ってみたところ、なんか、赤いので、火を通してから食べた方がよさそうですね。

切っただけで、香りが、もう、ベーーーーーコンなのだー

 で、ジャーマンポテトの材料を切りそろえましてー

たまねぎ、ベーコン、ジャガイモを使います

 ジャガイモは、電子レンジでホクホクにしておきます。

 フライパンにオリーブオイルを入れまして、燻製ニンニクのオリーブオイル漬けを、丸ごとインしてから火をつけます。

燻製ニンニクを入れますー

 なかなか伝わらないと思うんですけど、もうね、香りがすごいんですよー。

 燻製をまとったニンニクの香がねー、シャネルの5番よりも、異性を誘惑するんですよぉぉぉぉ。

 ほーら、寄って来た。男子が寄って来た。(夫です)

 火が入ってきたら、ニンニクをフォークでつぶして、一回取り出します。カリッカリになります。

フォークでつぶすと、また香りがああああ

 油はそのままに、ベーコンを焼きます。カリカリを狙っていきましょう。

 ああああー、ベーコンの香りー。

ベーコンを焼きます 何度も言うけど、香りがすごいのだああああ

 たまねぎを投入しましてー

たまねぎを入れましてー

 ジャガイモと、ニンニクを戻しましてー、さいごにブラックペッパー。

調味料は、ブラックペッパーだけ!

 ベーコンがめっちゃしょっぱいので、塩はいれません。

 それだけで味のバランスが取れます。もうね、ベーコンは調味料。

 というわけで、10日かけて作ったジャーマンポテトができましたああああああ。

10日かけて作ったジャーマンポテト

 うまいぞーーーーーー。

 うまいぞーーーーーー。

 うまいぞーーーーーー。

 燻製にやたらとハマル人の気持ちがわかりました。おいしすぎる……。しかも、市販品ではなかなか出せない味ではないかと思うのです。ベーコンが調味料かつダシの素になってるんです。

 食べ歩きとか、お取り寄せとかの趣味がないのでわからないんですけど、少なくとも近所のスーパーにはない味わいです。メジャーな外食チェーン店でも、これはないと思う。

 ハマルよ。これは、ハマルですよー。


 塩抜きが適当だったので、ベーコン単品で食べるとしょっぱいものになってしまいました。が、これがいいんだな。しょっぱいベーコンと野菜が合わさると、すごいんですわ。やばいんですわ。革命なんですわ。ほうれん草とベーコンのソテーとかも、あれって給食の味じゃないですか、これが、レストランで出せる味になるんですよ…。マジっすよ。自家製ベーコン、すごいっす。

 ワッホイ、ワッホイ。