古代、埼玉に海はあった~地下神殿を見学してきた。

いま、手元にスマホがあるならば、「地下 パルテノン神殿」で画像検索して欲しい。
地下神殿でぐぐる。
なんだコレ・・・。という画像が出てこないだろうか。
そして、ただ写真がうまい人が撮っただけじゃないか?フォトショだろ?最近「絶景」って写真だけだろ。とも思う。

それが、行ってみたら、本当にすごかったので紹介したい。

一体、その神殿はどこにあるのだ?

チラシ
この地下のパルテノン神殿。正式名称は「国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所 首都圏外郭放水路」
「江戸川」と「首都圏」という単語になんとなく騙されていましたが、埼玉県です。
というのも、ここの見学会の予約は取りづらい。1カ月くらい前の深夜0時からネットでの申し込みが開始になります。午前1時に起きて予約を取ったのです。場所なんて調べず申し込んじゃうよね。
そんなわけで、なんとなく江戸川区あたりかと思ってた。春日部らしいとは知ってたけど、春日部って江戸川区の隣くらいかと思ってた。なんなら、新小岩のちょい上くらいなイメージ。南関東民族すぎてゴメン。

かすかべ
とりあえず電車に乗るわけですが、春日部がすごい遠いわけ。この日の電車遅延大発生の影響もあるけど、とにかく遠いわけ。
春日部と言えば、クレヨンしんちゃんが住んでいる町。当時の冴えない男として登場する、しんちゃんの父・野原ひろし。今となっては「春日部に一戸建ての自宅を持って、マイカーあって、嫁は専業主婦、子供2人」これは勝ち組じゃないかと言われている。
野原ひろしの勝ち組化と共に、私の記憶の春日部が都心に近づいてた。そうよ。そうよ。あの頃、バブルで地価が大高騰して都心の土地は1億円超え。サラリーマンが買えるといったらの代表。春日部。
だから、遠いんだよおおおおお。

しかもですね。この地下神殿。春日部駅ではなく、春日部駅からさらに乗り換えて2駅の南桜井駅が最寄り。
南桜井駅
そして、その最寄り駅から3km!!!
3km??!??!?
乗り換え案内で、普通に「徒歩30分」とか出てきちゃってるよ。
乗り換え案内
遠くね?

駅からバスがあるらしいので調べたけど、ちょうど良い時間にはなく。

駅前のタクシー乗り場も、呼べば来るんだろうけど・・・。まあ。閑古鳥。
タクシー。いない。

なわけで、歩いた。3km。
どこかに出かけるときは、もう少し早く調べたほうがいいみたい。

でも、歩いてたら、こんなものも見つけたよ。
用水路

江戸川右岸用水路。昭和30年代、上流にダムができたりで江戸川の水位が下がって困ったから、揚水機で江戸川の水を汲めるようにしたんだとか。
ダム建設地域に行ったときには「下流の都会のみんなのために、ダムが必要なんだ。」と立ち退いた人がいるって書いてあったのに、こっちはダムのせいで水がなくなったのか。そして、江戸川から水を汲む用水路の隣には「放水路」という洪水の時に江戸川に水を流す施設。
貯めたり、汲んだり、流したり、水をコントロールしようとすると、色々大変なんだなと思う。

用水路を渡ると看板がある。滑らないでくれと頼まれても、難しい注文だ。
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見学会では何をしてくれるの?

見学会は約1時間。この施設がなぜ必要なのか、どういう仕組みなのか、施設の使用実績をお姉さんが説明してくれます。だいたい説明が30分。そのあと移動して調圧水槽の見学となります。
見学会会場

この辺りは、利根川(その支流の江戸川)と荒川に挟まれていて、しかもその川より土地が低いので、洪水になりやすい。そのため、放水路を作ろうということになったそうだ。

江戸川と荒川の間にある細かい川に「立坑」という穴を作る。細かい川の水位があがると立坑に水がたまる。
放水路の説明

立坑をつないだトンネルを通じて、調圧水槽に水がたまる。この調圧水槽が、いわゆる「地下神殿」にあたる。

調圧水槽の水をポンプで江戸川に流す。これで洪水が回避できる。そういう施設だそうだ。やることのスケールが大きい。
仕組み説明

稼働は平均年8回。最近使ったのは昨年9月の台風のときらしい。

説明が終わると、調圧水槽見学となります。
調圧水槽は、この広場の下くらいの大きさらしい。左上のでっぱりが入り口。
入口
エレベーターはないので、階段を自力で降ります。自力で降りれない人は待っててくださいと強調されるので不安でしたが、3km歩いた方がよっぽどつらかった。階段は100段で、ビル5~6階程度だそう。
階段を降り初めて、2ターン目くらいには、空気がひんやりしてきて、あの神殿が見えてくるので、正直、まったくつらくなかった。

階段はこんくらい。
階段

そして、これが地下神殿だあああああああ。
地下神殿
この日は午後から急に晴れてきたので、モヤがかかっていました。このモヤが幻想的な雰囲気を倍増させている。
これも地下神殿

明らかに人工的な造物で、近くで柱を見たら国土交通省が建設会社に発注して作った感じしかしないコンクリート。
それがこのひんやり湿った空気と天井からの光の力で鍾乳洞のような神秘性をかもしだしている。
しかも、鍾乳洞とは違う、明らかな規則性。自然界にはあり得ないエントロピーゼロ世界。自然物のようでありながら自然物には存在しない違和感が、地底人が残した遺跡などとの勘違いを誘う。

調圧水槽からは、第1立坑が見えたりもする。
立坑

しかし、残念なことに、水槽の自由見学時間はわずか10分。地底人の亡霊とテレパシーで対話する時間もなく、ひたすら写真を撮りまくって終わりでした。
でも、これは行く価値がある。とにかくすごい。狙って作った訳じゃないのにすごくなっちゃった感が素晴らしい。

古代、埼玉に海はあった

この放水路を工事しているときに遺跡が出てきたそうです。龍Q館という併設の見学施設に地層タワーがあります。
地層に貝
5300年前に・・・貝?埼玉に貝?

埼玉と言えば「海がない」ことで有名。近県の群馬も栃木も長野も山梨にも海がないのに。なんだろう、埼玉の海がないイメージはとても強い。
もし「埼玉県に波浪警報」なんて出たら、Yahooトップに躍り出るはず。そして、誰もが「虚構かとオモタ」とかつぶやくはず。それくらいに埼玉には海がない。これが長野だったら、みんな長野の北側にちょびっと海があったような気がして話は終了する。
縄文海進のせつめい
地球が氷河期だった頃、水は凍り陸地に残りますので、海面がかなり下がっていたそうです。そうするとフィヨルドの地形みると想像できるように、陸地を削って深い谷が出来ていくそうです。そうなっていたところに氷河期が終わり、海水面があがってきます。がんがん水が上がってきたんですね。川口やら草加やら春日部やら、だいたい海だったらしいのです。びゅうプラザに「奥東京湾」なんてパンフがありそうな勢い。

神殿があるこの場所は、太古は海だったのか。と思いを馳せながら、地層を眺めていると、目に浮かんでくるのです。
海賊王になった地底人が。
海賊王になった地底人がアジトの神殿に帰り、酒を飲み、バッカナール(注)を踊り、祝い、騒ぐ。
海賊王の地底人
(地底人イメージ)

相変わらずの自分の想像力に感心したのでありました。
ワッホイ。ワッホイ。

注釈

(注)バッカナールとは
フランスの作曲家・サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」の最後の方に演奏される曲。「サムソンとデリラ」は聖書を元にした話です。

あるところにサムソンという、それはそれは強い男がいました。
そこに敵方の美女デリラが、お色気作戦を使って毎晩言い寄ります。
「あなたの弱点はなーに?」
ある夜、サムソンは誘惑に負けて答えます。
「髪の毛切ると、力なくなる。」
で、髪、切られちゃいます。弱くなったサムソンは捉えられ、「捕ったどおおお」的な宴会が神殿ではじまります。
宴会をしてたら、いつの間にかサムソンの髪が伸びていて、力復活。
神殿の柱壊して全員死亡。

なんだろう。浦島太郎並みに教訓がわからない話なのです。宴会はほどほどにってことなのだろうか。ちなみにこの宴会の時の音楽がバッカナール。

私の想像力によれば海賊王の地底人もバッカナールで神殿で踊り狂ってる。海賊王も背後に気をつけた方がいい。ジャックバウワー地底人がお前の命を狙っている。

そして、このバッカナールは私が大学生だった時から吹きたかった曲。関係者が見ているかもしれないので、わざわざ書いておくけど、3番か4番を吹きたい。1番のペケペッポペケペッポッペが吹きたい訳じゃない。
2016年11月20日スーパーオーケストラで演奏できるらしいので、よかったら聞きに来てください♪

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