地球で起こる「長時間労働」という異様


パピコプパピー。

パピコン星の皆さん、こんにちはップ。
「トマトマンの地球レポポ!」のお時間ですポ。
今週も、地球での出来事を、パピコン星の皆さんに、わかりやすくお伝えするポー。

今日のテーマは「長時間労働」
この問題を聞かない日はないくらいに、今、地球のここニッポンでは問題になってますポ。

「長時間労働」ってなに?

「先輩、地球行って賢くなりましたね。」
「やあ。ナスラブたん。お久しぶりでポ。」
「はいはい。デポポ。難しい言葉覚えましたね。長時間労働ってなんです?」
「ながーーーーーい時間、働くってことでポ。」
「長いって、どんくらい?」
朝9時から、朝4時とか。」
「いつ寝るんですかああああああああああああああああああ。」
「だから、問題なんだポ」
「はあ。人間って寝なくて大丈夫なのかと思いましたわ。そもそも、人間は何で働くんでしょうか。」
「そうですね。ナスラブの生活にたとえると、ナスを食べるためです。あなた、ナスしか食べない。」
「いや、しょうゆくらいつけますって。ところで、そんなに働いたら、ナスを食べる時間がなくなるではないですか。」
「だから、問題なんだポ」
「そもそも、そんなに働かないと、ナスが食べられないですか。」
「いや。おおよそ、朝9時から夕方5時まで働けば、食べられることになっているポ。」
「じゃあ、なんで、長時間働くです?」
「もっと、もっと、たくさん、ナスを作って売ったら、お金がガッポガッポ。」
「そのお金でどうするです?」
「ナスラブに例えるなら、さらにナスがガッポガッポ。そして、」
「そんなに、いらんわーーー。」

帰りたいのに、帰れない人間たち

「たくさんナスを作れば、たくさんお金がもらえるですか?」
「それが、そうでもなくて、ナスをたくさん作れば、ナスの単価が下がるので、あまり変わらないみたいですね。」
「ボーナス、無す。じゃあ、なんで働くですか?」
「文化祭シンドロームです。」
「文化祭?シンド・・・?」
「ナスさん、ありませんでした?高校時代の文化祭。出し物の準備するのに夜中までかけてるのが青春!みたいなやつ。段取り悪いだけだから、残ってても特にやることないから、帰りたいんだけど、これで一人だけ帰って、次の日にみんなに無視とかされたら困るし。とか思って、帰れないアレ。」
「ああー。たしかに、うちのクラスの白菜は怖かったですねー。自分はだべってるだけなのに『何で、あの子帰っちゃうのー?』とか言うの。怒るとちょうどいい茹で具合になるんですよ。あの人。」
「同じように地球にも、長時間労働を強制する人、長時間労働が楽しい人、長時間労働に嫌々つきあっている人、要領よく帰る人、長時間労働につきあわなくて干されている人が、存在しているんです。」
「あー、文化祭の時も大根が干されてましたわ。」
「さらに成果主義が導入されたので、早く帰る人は、昇進を諦める覚悟が必要なんです。文化祭の準備に残らないと、友達がいなくなるだけじゃなく、いい大学行けないくらいのプレッシャーですね。実力に自信がある人しか帰れないです。なので、みんな、疲れてます。焼きナスのようにクタクタ。」
「クタクタちゃうわーーー。あれ、イチバン美味しい状態だから!」

大変なことは、ウェイウェイウェイウェイ。

「成果主義の導入って言ってましたけど、長時間働くことで評価されるんですか?」
「大義名分は違うみたいでポ。」
「要領が良い人を評価した方が良くないですか?」
「そのとおりでポ。だけど、仕事ができる人だから簡単にやっているのか、仕事が簡単だから簡単なのか、良くわからないだポ。」
「わからないって・・・。」
「なんとなく『あの人は大変な思いをしたから評価してあげよう。』と大変だったことが評価されることもあるだポ。優しさから始まる評価だポ。
「辛かったことは評価されたいですよね。」
「だけれど、この評価を見た周囲の人は”大変じゃないと偉くない”と感じ取ってしまうだポ。無意識に自分担当の仕事は”大変で大事な仕事だ。”と思いこむようになるだポ。」
「まあ、大事な仕事を任されていると思いたいのは、わかる気がします。」
「で、大変じゃなくてできる仕事も、大変じゃないと俺の仕事じゃないと思って、わざわざ大変になる選択肢を選ぶ人が出てくるだポ。総じて、大変な仕事が増えていくだポ。」
「大変じゃないと、働いた気にならない病ですね。」
「アメリカの大統領選挙終わって、毎日『大変だー』ってテレビでやっているんで、この星の人たちは、本当に大変なことが大好きなんだと思うでポ。」
「トマトマン先輩も、そうじゃないですかー?」
「そりゃー、大変だポー。」

作者コメント

高橋ホイコです。昨日、本屋で絵本読みました。

小野ほりでぃさんの記事が好きで、好きで。あの体裁で何かを書くことに憧れて、書いてみました。だいぶ内容が違いますが。

トマトマンは、パピコン星出身。パピコン星はオシリをユサユサすれば、そこからトマトが生えてくるので、働かなくても食べることに困らないんです。
トマトマンは、地球に来て、色々なことが、不思議に見えているみたいですね。先日「『信号の色が変わると人間が動き始める装置』があるなら、目覚まし時計も青に光るだけでいいんじゃ?」と言ってました。

みなさん、ついて来てますかー?
今週も金曜日だ。ワッホイ、ワッホイ!