なんでもブルックナーになるスコアカバー。

光るスコアカバー
高橋ホイコです。「南武線界のスターバックス」みたいな異名が欲しい。
先日、自分が使ったオーケストラのスコアをAmazonで販売している話を書きました。

やっぱりねー、キレイな状態だと、値段が下がりにくいんですよね。
キレイなスコアを見ると「自分、全然練習しなかったのかな。この曲。」って不安にもなりますけど、やっぱり、トイレとスコアはキレイな方がいい。

キレイに使うなら、ブックカバーだあああ!
と、何でもブルックナーになるブックカバーを自作しました!

一見でスコアとわかる、このデザイン

ブックカバー
スコアというと、有名出版社は数社しかなく、会社ごとに表紙デザインは統一されていますので、上記の写真を見ただけで、業界の方なら「ベーレンライターだぁ。」「オイレンブルクだぁ。」とわかることでしょう。

スコア本体
こちらが中身ですね。

ええ。オイレンブルクは中身もブルックナーですが、ベーレンライターの中身はシューベルト。

っていうか、
「ベーレンライターのブルックナーってwwなwwwにwww」
って、つっこむところなんです!これ!

なぜ、ブルックナーか

ブルックナーといえば、業界ではオタクが多いことで有名。
ブルックナーの演奏会をやると、通常より100人多く客が入ると言われています。
どんなヌード写真集でも、必ず3000部は売れると言われるのと同じですかね。どんなオーケストラであっても、ブルックナーならとりあえず来るという客層が一定数いるようです。
他の作曲家では、あまり見られない現象です。

そして、ブルックナーをやると、客席でスコア広げながら聞いている人がいるという都市伝説もあります。そう、ブルックナーオタクはスコアが好き。

ブルックナーという作曲家は、とても弱気な人だったようで、1回作った曲も、批評家にアレコレ言われると、すぐに書き換えてしまっていたそうです。
モーツァルトは、天才すぎて、一切書き直しがないそうなので、かなり対照的です。

そんなわけで、何回も書き直すもんだから、版がいっぱいある。しかも、何だか知らんが、出版される際に弟子が書き換えたりしちゃって、何が原典だかわからなくなっている。そして、後年、弟子が加えた部分を排除した「原典版」と呼ばれる譜面が作られるも、さらに戦後に別の人が「それ、ちゃう。」とかいって原典版作りをやり直したもんだから、原典版と呼ばれるものでさえも2つある。

なので、演奏を聴いて、わずか数小節違うフレーズが入っている箇所を見抜き「あー、今日はノヴァーク版ですね。」とか言っちゃう感じ。
南武線の205系の車両に乗って「ああ、この窓の大きさは0番台ですね」とか言っちゃう感じ。

マニア心に火をつけやすい。それが、ブルックナー。

なぜ、ベーレンライターか

私が、ベーレンライターという言葉を聞いたのは20年くらい前です。
「今までのベートーベンは偽物だったのだ。」
当時、そんな言葉を良く聞きました。

20世紀のベートーベンは、重く、派手で、ロマンチックな音楽でした。
それが21世紀の変わり目頃、一転、軽い古典音楽に変貌します。

たとえば、ベートーベン第9番の交響曲。
CDが誕生するときに、オーケストラ業界で有名なカラヤン指揮者。
彼が「この素晴らしい円盤に、是非、第9交響曲を録音したい」
と言ったために、CDは第9の長さ、74分となったと言われています。

今、第9って60分ないから。

というくらいに、テンポは早くなっています。

その揺れ動きのなか、流行っていたのが「ベーレンライター」
ベーレンライターが、本当にベートーベンが書いた譜面を忠実に再現しましたという譜面を出版しました。

驚きましたよね。
テンポが倍になったり、スラーがついてたり、オクターブ違ってたり。

ぱぱーんが、ぱぱーになる衝撃
<写真は、ホルン吹きなら誰もが戸惑う、ベーレンライタ― 第9の4楽章のパパ―ン。ンパー。>

ベーレンライターの登場は、20歳代前半の私に強い衝撃を与えました。だってさ「ベートーベンが変わる」なんて、思いつく?そんなこと予想する?「脂肪の吸収を抑えるコーラ」が発売されるなんて思わなかったレベルに、常識をくつがえされましたよ。

だから、そんなベーレンライターから、原典版が何なのか論争が激しいブルックナーが出たら、マニアは狂喜乱舞なのかなーと思うわけです。

ベーレンライターのHP見たら、交響曲3番作ってるみたいだね。
Symphonie no. 3 d-Moll

さて、使い心地は。

作ってみたものの、なんだか、使いにくいんですよね。重いし、ゴワゴワするし。
ダイソーで売ってる、ポリのブックカバーは優秀だね。ほんと。感心する。

とりあえずですね、ブルックナー3番やるのに「違うといってもそこまでじゃないばい」と第3校を買ったところ、本当にことごとく違ってですね。
南武線の205系と233系程度の違いじゃなくてですね、南武線と埼京線くらい違うんですよ。
泣く泣く、第2校も購入すると言うことになったので、是非とも、高く売れていただきたい。

ブルックナー顔カバー
ブルックナーの似顔絵ブックカバーも刺繍ミシンで作ってみた。怖いね♪
ワッホイ、ワッホイ。