中国スーパーコピーが純正品を越えている件

2019年3月8日

中華ルービックキューブ
高橋ホイコです。好きですルービックキューブ。
日々、6面を揃えていたら、家族が興味を示し始めました。
家族は、1面を揃えられるようになり、2段目を揃えられるようになり・・・6面を揃えられたその日、マイキューブを買うと言い出すのです。

純正品しかないと思っていたのですが、家族が買ったのはなんと、中国製!
「なんや、それ。」と思っていたけど、触ってみたら、これが、素敵なウルトラスーパーコピー!
純正品を超える使い心地に感動しすぎて、自分用も買ってしまいました。

ルービックキューブ業界で起きている、すごいことをお伝えしたい。

純正品のルービックキューブとは

今流行りのいらすとや
ルービックキューブは、ハンガリーの建築家 エルノー・ルービックさんが思いついたパズルです。
1977年にハンガリーのポリテクニカ社から販売されます。しかし、当時のハンガリーは共産主義。なかなか世界に進出することができません。
1979年ドイツで行われた国際玩具フェアでトム・クレーメルと出会い、販売契約を結びます。ここから世界40カ国へ販売されていくのです。
日本では、1980年、ツクダオリジナルが、アメリカで既に製造販売をしていたアイデアール・トーイ社と独占輸入販売契約をして、販売されることになります。

つまり、各国販売する事業者が決まっているようです。
たぶん、このページに書いてある会社だけが、「純正品」を販売できるのだと思います。
DISTRIBUTORS(The Home of Rubic’s Cube)<リンク切れのためリンク削除しました>

まあ、ものすごい売れたらしいです。ツクダだけでも初年度400万個だって。
そして、大量のパッチもんも売れたそうです。パッチもんに対する訴訟も起きていたようですね。

ということで、なんとなく、純正品=ツクダオリジナル(現在はメガハウス)が、いっちゃんイイヤツで、それ以外のパッチもんを買うことは悪いこと。と感じていました。

チャンピョンも使っている、スーパー中国製

6面を揃える時間を競う競技を「スピードキューブ」と言いますが、今や世界記録は、4秒90。
頭おかしい。本当におかしい。
こんな世界記録が出るのは、中国製キューブのおかげだそうです。

2003年からスピードキューブの国際大会が開かれるようになります。
記録の推移はこんな感じ。
世界記録のグラフ
16秒台だったのが、どんどん早くなっていってますね。限界を知らない感じで。

2007年頃買った物だと思います。すでに国際大会があることが話題になっていたころでした。メガハウスのルービックキューブもスピードキューブ対応として売られていました。ネジの調整もできるタイプで、グリスもセットでついてきました。
蓋をあけたところ
※以下、”純正品”のテスト結果はこのキューブの結果です。

スピード対応と書いてあったけど、何かが変わっているという感じはしなかったですね。

2010年、DayanからGuHongが発売されます。それまで、さほど技術革新もなかったこの業界に変化が訪れていました。ちょっと乱暴に扱っても回せる技術が現れたのです(詳細は後で説明)。

ここから、どんどん競技用キューブが進化していきます。
今現在、たくさんの種類の競技用キューブが販売されています。が、どうやら、中国の模倣品が多いようで、「純正品」ではないようです。
triboxさんに、すごい詳しく商品レビューが書かれています。

そんなわけで、こちらのNewiSLandを購入してみました。
中国製ルービックキューブ
※以下、”中国製”のテスト結果はこのキューブの結果です。

「周知のように、お客様の使用感想が他の人の参考になれます。」
なんて書いてあって、この日本語、たぶん、中華で間違えない。

中華がどのくらいすごいのか。

乱暴に扱ってみる

ルービックキューブは、きちんと立方体に合わせないと、回せない構造になっています。

このくらい、上の段が回してある状態で、右面を回そうとすると・・・
上の段が少し回してある

分解しそうになります。
壊れそうなルービックキューブ

これと同じ操作を中国製でやろうとすると、大丈夫なんです。

上の面を何度までずらすと、右面が回らなくなるかを調べました。
実験結果からも、違いが明らか。

キューブ 角度
純正品 15度
中国製 43度

さすがに45度じゃ回らないけど、少しでも回したい方に傾いていれば、大丈夫なようです。

回しやすさを調べる

回すのに、どれくらい力がいるのかを比較します。

上の段の角のブロックに輪ゴムを張り付け、引っ張ります。
どこで、上の面が動きだすかの実験です。

中国製は、輪ゴムをちょっと引っ張るだけで、上段が動き出しました。
すぐに動く中国製

一方、純正品は、全然回ってくれない。下に置いてある定規が15㎝です。それ以上に引っ張ってやっと動いてくれました。
重たい日本製

キューブ 距離
純正品 16cm
中国製 1cm

6面揃える時間は?

どんなに基礎数値が良くても、6面そろえるのが速くなければ意味がありません。

そうですよね。

これだけ素晴らしいルービックキューブ。これを使えば、私だって1分を切ることがきっとできるに違いない。

キューブ 時間
純正品 2分16秒36
中国製 2分7秒08

ん?

大して変わらないじゃないか。

ええとね。色が違うんだ。
色の違いを説明

「白の裏が青」とか色の位置関係が違っているんだ。ほら、黄色と赤を合わせたら、白と青が違うじゃないですか。
それのせいでまるで新しい方でタイムが出ないんだ。
日本配色と海外配色っていうのがあるらしく、中国製は海外配色らしい。
世の中、いろんなことが変わるもんだね。

ってなわけで

時間が変わらないにしても、中国製は、回しててストレスがないのが素晴らしい。
本当に気持ちいい。
肩がこらない。

パッチもんを規制する。それをしなければ、正規品を販売している人が儲からない。
けれども、規制によって、物の進化を止めてしまうことにもなるんだな。と、考えさせられた事案でした。

ホイさんのパッチもんが出てきて、ホイさんよりおもしろいブログ書いてたら、、、、どーしよ。
たぶん、更新のたびに見に行って、「おもしれー。」ってシェアしてる!
ワッホイ。ワッホイ。

※見ても面白くないけれど、6面そろえた映像をアップしておきます。中国製は、回し始めると早いけど、やたらと考えてて遅いのだ。